海でマイボート釣りを始めよう、と思い立った時にまず思い浮かぶのが、
「免許は必要なの?」
ということではないでしょうか。
ボートの操縦には原則小型船舶操縦免許が必要です。
原則と書いたのは、登録長3m未満かつ動力約2馬力未満の船舶は、操縦免許が不要だからです。
ゴムボートやFRPミニボートなどは2馬力船外機での使用を前提としたものがあり、この場合には免許は不要となります。
港内や湾奥で釣りをしているならば、2馬力ミニボートで十分なことも多く、実際にミニボーターの多くは免許不要なボートと船外機の組み合わせで頑張っています。
免許不要艇に乗っていても、操船のルールや海の危険性は他のボートと変わらないわけで、免許を持っている(基本的な海の知識を持っている)のは無駄ではないと思います。
事実上規制が存在しない免許不要のミニボートは、夜間航行の設備無しに夜中に出船したり、港内のルールを無視したりして事故を起こすことが多く、せめて操縦に関する知識を持たれていたら…と思わされることがありますね。
長くボート釣りをしていると、
「もっと沖へ、もっと遠くへ、もっと速く…」とどんどん願望が膨らんでくるはずです。
2馬力船外機での航行速度はせいぜい7~8km/hであり、高馬力船外機を積んだボートとは速度に雲泥の差があるばかりか、黒潮が接岸して海流の速度が上がったときや、風が吹いて海が荒れた時など、場合によっては全開走行しても全く進まない、というようなことがあり得ます。
そうなると、必然的に高馬力船外機やひとまわり大きなボートが欲しくなりますよね。ボートを買っても、それだけじゃ足りません。そう、そのボートはもう免許不要艇ではありませんから、小型船舶操縦免許が必要になります。
免許はどこで取るの?
今はインターネットがあるので便利ですね。
「小型船舶免許」などのワードで検索すれば、たくさんヒットするはずです。
マリーナやボートメーカー関係の教習所などで免許取得が可能です。
自分の住んでいる地域に近いマリーナや教習所を探してみましょう。
小型船舶操縦免許は国家資格ですから、国家試験を受験して合格しなければなりません。
これは自動車運転免許に似ています。
でも、自動車運転免許が1ヶ月以上取得にかかるのに対し、小型船舶操縦免許は2~4日ほどで取得可能です。さらに国家試験免除コースというのもあります。
自動車運転免許も自動車学校に通って卒業時の試験に合格すれば、実技試験は免除されますよね。小型船舶操縦免許の場合は、実技だけでなく学科も免除されるコースがあるんです。
もちろん、講習の後に実技や学科の試験を行い、合格する必要はありますが、国家試験のように落ちたらまたゼロから、ではなく、原則合格点が取れるまで徹底的に指導してくれて、合格点を取らせたうえで卒業となりますから、国家試験免除コースを選んだ場合は、ほぼ例外なく免許が取得できます。
メリットばかりに思えますが、国家試験コースに比べやや高額です。また国家試験免除コースは国土交通省に認められた教習所でなければ存在しませんから、近くにそんなコースを持つマリーナはない、となれば必然的に国家試験を受けることになります。
小型船舶操縦免許は1級と2級があります。
この2種の違いは航行区域で、2級は沖合5海里までに限定されます。1級は原則無制限です。ミニボートの場合は大抵3海里か5海里限定なので、2級免許でも十分なのですが、係留艇やトレーラブル専用艇になると5海里を超えて航行できるボートもありますから、そのようなボートを考えている人は1級免許が必要になるかもしれません。
なお、水上バイクを操縦することができる特殊小型船舶操縦免許はまた別物です。小型船舶操縦免許を持っていても水上バイクは運転できませんし、特殊小型船舶操縦免許を持っていても小型船舶は操船できません。
それでは小型船舶操縦免許取得に必要な費用はどれほどでしょうか?
一般的に、
いきなり1級国家試験免除フルコース=4日間、12万円
2級学科自習(講習無し)国家試験コース=7万円
2級で国家試験免除コースならその中間くらいでしょうか?
1級は学科の海図関係は一度は教習を受けた方がいいと思いますので、
国家試験受験コースでも10万円はかかると思います。
2級から1級のステップアップは実技試験はなく、海図等の一部学科だけなので、国家試験免除コースでも3.5万円~4万円くらいでしょか。
これらの価格は目安です。
地域によっても大きく変わりますので、ホームページ等で確認してください。
国家試験を受ける場合は、試験の前に教官による簡単な健康診断があり、診断書は原則不要です。国家試験免除コースの場合、医師による健康診断書が必要なので、その費用が数千円かかると思ってください。
ぐっちゃんははじめ2級の国家試験受験学科自習コースを選びました。
従って費用は7万円ほど。
いきなり国家試験を受験する以外では一番コストがかからないパターンです。
2日間実技講習を受けて、試験日は午前実技、午後学科。合計3日かかりました。
最初に取得した免許です。
その後、引っ越しをしたので住所変更をしました。
住所変更は運輸局に行かなければなりません。小型船舶検査機構ではないので要注意。
ぐっちゃんの場合は関東運輸局千葉支局へ行って手続きをしました。
船舶操縦免許の有効期限は5年です。自動車より融通が利いて、期限の半年前から更新ができます。
更新には教習を受ける必要があるのですが、この教習は全国の各地で実施されています。いつでもどこでも講習を受けることができるわけではなく、講習の会場と日程が決まっています。日程は公開されていますので、自分の都合の良い会場と日時を選んで予約をします。
ぐっちゃんのようなサラリーマンのために、都心の会場で夕方開催、というような教習も組まれていて、ぐっちゃんは新橋の某ビルの一室で30名ほどの同志と受講しました。
本当はこの1回目の更新の前に1級にステップアップしようと思っていました。
それは、ボートを買い替えたことにより、航行可能区域が広がったからです。
新しいボート、NEO-Gucchan号の航行区域は、ホームの外房に限り沖合10海里となっています。
しかし、2級免許では5海里が限度ですから、早々にステップアップする必要がありました。
2017年8月、お盆特価でステップアップの国家試験免除コースが安くなっていたので、ようやく重い腰を上げて2級から1級へのステップアップに挑みました。
2級取得時より年を取った分だけ頭の回転が遅くなっていますので、無理をせずに国家試験免除という楽な道を選んだというわけです。
というわけで、めでたく1級船舶操縦免許へ変更となりました。
登録日が変更されてしまいましたが、仕方ありませんね。
なんだか初心者みたいな感じですが、実際1級は初心者ですから…。
というわけでまとめです。
仮に2馬力免許不要艇であっても、海の知識は非常に有用ですし、いざボートをステップアップしたくなった時でもそれから勉強を始めるという必要はありませんから、小型船舶操縦免許を取得しておいて損はないと思います。最初から1級は時間もお金もかかりますから、2級で十分だと思います。1級は必要になったときにステップアップすればよいと思いますし、ステップアップの場合は費用も時間もそれほどかかりません。
2級の学科は独学でも参考書と過去の問題集を1冊ずつ買えば合格可能です。実技に関しては仮に免許不要艇などの操船経験がけっこうあったとしても、試験に引っかかるのは普段実践ではあまり必要としない決まり事などですから、一度は実技講習を受けた方がいいと思います。従って、学科は独学、実技のみ受講して国家試験というぐっちゃんのパターンが一番リーズナブルで効率が良いのではないでしょうか。
車の運転もそうですが、免許を持っているだけでは操船はうまくなりません。免許を持てばボートを操船したくもなるでしょうし、どんどん免許を活用することによって貴方の操船スキルは上達し、釣果もうなぎのぼり間違いないと思います。
さあ、貴方もほんの数日時間を作って小型船舶操縦免許を取りに行きましょう。その先には何物にも代えられない楽しい世界が待っているはずです。
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