天気図を読み天候を予測する

このページでは釣りに欠かせない気象情報について書いてみます。

ミニボート釣りは楽しい反面、危険が伴います。もちろんいつでもどこでも同じように危険があるわけではありません。いろいろな要素がありますが、最も大きなものは「天候」でしょう。

海に浮かべて遊ぶボート釣りだけに、ボート内への海水の浸水や転覆は避けたいところです。浸水や転覆に最も大きく関係するのが海況であり、海況を大きく左右するのが天候なのです。風が強く吹けば波が立ちます。かなり距離があっても台風があれば外洋ではうねりが出ます。

ミニボート釣りを安全で楽しい遊びにするためには、天候を予測し危険を回避する能力を身につける必要があるのです。

上の天気図は2018年8月31日のものです。南には台風、本州には秋雨前線がかかっています。

この天気図から千葉県や神奈川県の海の様子を想像できますか?

さすがにこの距離では台風の影響はほとんどありません。波の高さもうねりの大きさも、台風よりももっと近い海上の風の影響の方が大きいでしょう。

では、千葉県や神奈川県ではどんな風が吹いているのでしょうか?

小型船舶操縦免許を取得した人ならば、天気図の見方を勉強したはずですので、比較的簡単な問題ですよね。

風は気圧の高い方から低い方に向かって吹きます。つまり、太平洋の高気圧から秋雨前線方向に風が吹くことになりますから、風向きは南から北に吹く南風という事になりますね。なお、風の強さは等圧線の広さでわかります。等圧線の間隔が狭ければ強い風が吹き、間隔が広ければ弱い風になります。上の天気図では太平洋沿岸は風の強さはそれほどでもないと想像できます。実際にはぐっちゃんの予想よりは少し風が強かったようですが…。


こちらは9月2日の予報です。

日本の太平洋沿岸に重なるように前線がありますね。

この場合は風が向かう方向が無いという事になりますので、ほとんど無風という可能性が高いと言えそうです。しかし、8月31日の天気図に比べ台風が少し日本に近づいていますので、そろそろ太平洋側はうねりなどの影響が出始めるころだと思われます。

また前線がこれだけ近いと大抵は雨が降ります。

ぐっちゃんなら2日の天気は風が弱いが雨だろう、と予測しますね。

このように天候を予測できることが安全にミニボート釣りを楽しむことができる条件になります。風速や降雨量を表示している情報サイトもたくさんありますが、天気予報は刻一刻と変化しますし、情報サイトによって基準がまちまちで統一感がありませんので、必ず複数の情報サイトを比較して検討すべきですし、それ以上に天気図を読めるようになっておくことが重要だと思います。


 


次に天候を知るための情報サイトを上げておきます。

 

まずは言わずと知れたYahoo!天気予報です。

天気図、波予報、風予報もありますし、釣り場ごとのピンポイントの予報もあります。

天気・災害のホームページはこんな感じです。

右のメニューの下の方に「釣り場」というリンクがあります。

ここでポイント毎の天気を見ることができます。


これは千葉県館山市の9月2日の予報。

ぐっちゃんの見立てはほぼ正解ですが、雨があまり降らないようですね。

雨に関しては雲がかかる場所とそうでない場所で全然変わってきます。たまたま雨雲の通り道になっていなければ雨に降られずに済むこともありますし、運が悪ければゲリラ豪雨のピンポイントに当たってしまうかもしれません。上の予報では雨が降らないと思ってしまいそうですが、ぐっちゃん的にはいつ降ってもおかしくないので雨具は用意しておこう、という事になりますね。

ちなみにYahoo!天気予報は海上ではなく、ポイント付近の陸上での風速表示となりますから、海に出ると数字的には2倍くらいの風速であることが多いです。つまり、3mなら6m、5mなら10mまで覚悟する必要があります。一方、波に関しては沖の波高を表示しているようで、数字は大きい傾向にあります。ミニボートで2mとか、他の情報サイトではNGな波高でも、Yahooの場合は問題ありません。Yahoo!は風が弱く、波が大きく表示されると覚えておきましょう。

外房南部の場合北が陸、南が沖となります。ぐっちゃんのゴムボート時代の指標ですが、北風なら6m以下、南風なら4m以下で出航可能と考えていました。また波高は2mならOK、2.5mなら他の要素も考慮して決める、3mならNGというのが指標でしたね。

NEO390になってから風に関しては1mくらいずつプラスでもOKと思っています。

あくまでもぐっちゃん個人の指標ですから参考程度にしてください。ちなみにぐっちゃんのゴムボートはジョイクラフトのJEX325スタイル、船外機はトーハツの4スト9.8馬力でした。ゴムボートではかなりの上位機種となります。当然2馬力艇など低馬力ゴムボートはもっと基準を厳しくする必要があります。FRPカートップボートについては横揺れに弱いというボートの特性がありますから、波高をやや厳しめにする必要があると思います。

  

 

次は海快晴です。

細かいポイントの情報を入手したいのであれば、有料ですが料金はわずかですから会員になる価値があると思います。

Yahoo!よりもはるかに細かいポイントをチェックできます。

また1時間ごとの詳細な予報を見ることができますし、おおよそ3日後までの予報が表示されています。台風等で進路が未確定な時など、予報が遅れることもありますが、たいていそんなときは釣りNGですから、気にする必要はないでしょう。Yahoo!だと翌日までしか詳細な予報が表示されませんので、週末の釣行計画を週中までに決めたい、という時に役立ちます。

上は3時間ごとの9月2日の館山湾の予報です。

1時間ごとの表示をすることも可能ですし、風や波は別の指標の数値も表示することができます。

2つの風予報が存在するのは、その数値が同じようなら信憑性が高い予報と言え、数値に開きがある場合には流動的で信憑性が低いことを示しているという事です。

なお、Yahoo!に比べ風が強く波が低く表示される傾向があります。

風速は外房で北風なら1桁mなら何とか出航可能、波高は1mまでならOKというのがぐっちゃんの指標です。南風の場合は微風か超強風のどちらかに偏り中間が少ないので判断しやすいですが、一応指標としては南風6mくらいまでならOKという感じでしょうか。

 

 

最後にSCW気象予報を紹介します。

ポストGPV気象予報であり、より詳細に視覚的に雨、気温、風速などがわかるようになっています。

上は穏やかな海況、下は厳しい海況であることを示しています。

ちなみに詳細情報は36時間後までですから、釣行前日に細かく1時間毎の風速と風向きを確認したい、というような場合に役立ちます。

また広域に関しては10日後まで3時間毎の予報を表示できます。また、SCWはどんどん情報が更新されるので、常に最新の気象予報を入手することができます。

広域のかなり先の情報はあくまでも目安程度にしかなりませんが、スマホのアプリの中には1週間前に予報を出したら当日まで更新しない、というような信用のおけないものもありますから、その点では非常に親切なサイトと言えるでしょう。

このサイトは出航可否の指標というよりも、他のサイトの情報と照らし合わせながら視覚的に判断する要素という位置付けが良いのではと思います。

 

 

いかがでしたか?

ミニボートによる海難事故は少なからずありますし、中には死亡というような最悪の事態も報告されています。人為的な事故もありますが、天候を考慮しない無茶な出航が原因の事故も少なくありません。

ミニボートで釣りをする人は天気予報に精通しているべきですし、できれば天気図を見ただけで危険があるかどうかの判断ができるのが望ましいと思います。

ミニボートアングラーの方は今一度自分の気象予報能力を見直してみましょう。また、しっかりとした出航可否の基準を設けることも重要です。最高の楽しみが最悪の事故にならないよう、天気図を見る癖を付けましょう。



マイボート釣りのうんちく記録簿  ~進め!Gucchan号!公式ホームページ~

房総半島をメインフィールドにマイボートで大物を追い求める、誰が呼んだか「房総のジャイアン」ことぐっちゃんがお送りするボート釣りホームページです。

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