ミニボート釣りの動力源は船外機ですよね。
もちろん、エレキオンリーの方や、手漕ぎボートの方も見えるでしょうが、海で本格的なボート釣りをするのであれば、船外機は強力な相棒です。
小さいものは1馬力から、大きなものは数百馬力まで存在する船外機ですが、ミニボートに使われる船外機は2馬力が最も多く、メーカーによって若干の違いはありますが、
3.5馬力、4馬力、5馬力、6馬力、8馬力、9.8馬力、15馬力、20馬力、25馬力、30馬力、40馬力、50馬力…と非常に多くの種類がラインナップされています。
2馬力までは小型船舶免許が不要で、それ以上は小型船舶免許が必要だというのは前に述べた通りです。
自動車ならばいたるところに整備工場やガソリンスタンドがあって、トラブルがあっても素早く対応できますよね。
オイル交換などのメンテナンスもディーラ―任せという方が多いのではないでしょうか。
マリーナ係留であれば、機関(エンジンのこと)の整備もマリーナの専門家がやってくれるのでしょうが、可搬型ボートの場合はそういうわけにはいきません。自分の責任で整備点検やメンテナンスを行うことになります。
船外機をメンテナンスできるところは、自動車と比べるとはるかに少ないのが現状です。必然的に軽度のメンテナンスは自分でこなすことになります。ミニボーターになるという事は、同時にある程度の船外機メンテナンスも自分でこなせるようになるという事になります。
小型船舶操縦免許を取得された方はご存知だと思いますが、機関の構造や整備も学科に存在しますし、時には試験に出題されます。
バイクが趣味という方の中には、メンテナンスの大半は自分で行うという人も多いと思います。イメージとしてはそんな感じです。地上を走る車と違って海上のボートの場合、機関停止は命取りです。ある程度自分でメンテナンスできないと、命に係わることもあるのです。
前ふりが長くなりましたが、今回はそんな船外機のメンテナンスの中で、どなたでもできる簡単なものを紹介します。
これはNEO-Gucchan号の船外機。
Hondaの4ストローク30馬力ですね。
2ストロークの場合はエンジンオイルの交換作業はありませんから、ここからは全て4ストロークの話だと思ってください。
最初にエンジンオイルの交換を紹介します。
もっとも簡単で最も効果的なメンテナンスがオイル交換です。
船外機は車と違って高回転での使用時間が長く、過酷に使われますから、オイルの痛みも早いです。一般的には100時間、あるいは半年くらいが目安と言われます。あまりボートを使用しない人でも、オイルは経時劣化しますから1年に1回は交換すべきだと思います。
1年間使用した船外機のオイルをチェックしてみるとこんな感じになっています。
真黒ですよね。
早速交換しましょう。
オイルの排出口はメーカーによって若干の違いがありますが、だいたいこんなところにあります。ネジを外すと真黒な古いオイルがドロドロと出てきます。そのままですと大変なことになりますから、古いオイルを受けるバケツや廃オイル用の処理箱で受け止めましょう。写真のようにテープでビニールを固定して漏れ落ちないようにするのも有効です。
新しいオイルを用意します。
必要量は取扱説明書で確認しましょう。
やや少なめに入れて、ゲージを確認しながら追加すると入れすぎることはありません。
オイルは少なすぎても多すぎても船外機故障の原因になりますから、規定量通りに入れることが大切です。
オイルを注入する場所は上の方にあるはずです。たいていは黄色いキャップが付いていますので、すぐにわかると思います。
この船外機の場合はオイルエレメント交換をして1.9リットル、エレメント交換無しで1.6リットルが規定量ですが、だいたいエレメント交換無しだと1.5リットルくらいで定量になります。このあたりの誤差は経験で覚えるしかないですね。
オイル交換が終わった後にオイルゲージで確認すると、交換前の黒さがウソのようです。ほとんど透明ですね。
これでまたしばらく安心してボート釣りが楽しめます。
これ以外に、オイル交換2回に1回はオイルエレメント(フィルター)を交換しましょう。
15馬力以下の船外機の場合、このオイルエレメントはないことが多いです。
オイルエレメントが無い船外機はエンジンオイルの汚れるのが早いので少しマメにオイル交換する必要があると思います。
オイルエレメントは純正品以外にも互換品が多く売られています。調べてみると軽自動車やリッターカーなどのオイルエレメントと同じものが使われることが多いようです。船外機だけなら互換品を安く売ってもそれほど需要はなさそうに思いますが、自動車と同じなら納得ですね。互換性があって安いものを選んで問題ないと思います。
オイルエレメントを外すとこんな感じ。
もちろんオイルが大量に漏れ出てきますから、ティッシュやタオルは必須ですよ。
専用の工具が無いと外したり付けたりできません。ネットで安価で売られているので、ひとつ購入しておきましょう。
もう一つ重要なオイルがあります。
ギアオイルです。
ギアオイルはその名の通り、船外機のギアを守る潤滑油です。
エンジンオイルよりも下部にギアオイルの交換口があります。
下のネジを外し、その後上のネジを外すと、
下のネジ穴からオイルが出てきます。
黒くなっていたら使い過ぎによる汚れですが、白くなっていたら海水の混入が考えられます。白い場合はネジ穴のパッキンなどの交換が必要でしょう。場合によっては専門家に修理の依頼をする必要があると思います。
写真のギアオイルは黒くなっていますが白濁はしていませんから、海水の混入はないようですね。
ギアオイルは専用の物を使います。ホンダ船外機なのにヤマハ製のギアオイルを使っているのはご愛敬です。
船外機が大きくなるほどたくさんのギアオイルが必要です。
30馬力だと250~300mlくらいは必要でしょう。
ギアオイルは下のネジ穴からチューブを押しながら入れていきます。
上のネジ穴からオイルがあふれ出したら満杯の合図なので、上のネジを先に締めます。
上のネジを締めると下のネジ穴からオイルが漏れ出ることは無くなりますので、その後に下のねじも締めればOKです。
最後に船外機メンテナンスでもう一つ、素人でも簡単にできるもの。
それはプラグ交換です。
赤い矢印部分がプラグの位置です。
Hondaの30馬力は3気筒なので3ヶ所ありますね。
6馬力以下なら1気筒、8~20馬力は2気筒が標準です。
スパークプラグの数は気筒数だけ用意しましょう。
配線を抜くと、
こんな感じでプラグが顔を出しますので、
船外機に付属している専用のレンチで外します。
船外機のマニュアルで指定のプラグを調べ、
同じ物か互換性のあるものを用意します。
イリジウムプラグなどの高価で燃焼効率が高いと言われるプラグを使うのもいいと思いますが、期待ほどの効果は得られないケースがほとんどですから、これらを選ぶときは自己満足的な部分が多いと割り切りましょう。
左が古いノーマルプラグ、右が新しいイリジウムプラグです。
燃焼部分がきつね色になるのは悪くはないのですが、写真のように腐食してしまっていると要交換ですね。
この新旧の差、ノーマルとイリジウムプラグの差は…、わかりませんでした(笑)
いかがでしたか?
自分でボートを運搬し、釣りをしたいとお考えで、動力源として船外機を考えておられるなら、最低でもこのくらいは自分でメンテナンスできるようにしましょう。
自分でメンテナンスすれば、早く安く上がるのはもちろん、船外機に対する愛着も格段に増すはずです。
そんなことは無い方がいいのですが、海上で機関停止した時にプラグ交換くらいはその場でできるようにしておけば、いざという時に安心というものです。
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